■日時:2019/5/26(日) 12:30~13:15 ■講師:古市剛史先生(京都大学霊長類研究所・教授) ※プロフィールはこちら チンパンジーやゴリラと異なり、メスが高い社会的地位についていることで知られるボノボ。 そんなメスたちは、集団内でオスたちを牛耳るだけでなく、オスたちが反目しあう異なる集団をもつなぎ、 地域社会ともよぶべきものをつくりあげている。 2つの集団が出会った際には、率先して集団の境を超えて相手集団のメンバーたちと親和的交渉をもち、 メスがオスに攻撃されると、異なる集団のメスたちが協力してそのメスを守る。 集団を移籍するメスたちは、移籍先の集団と自分が生まれた集団をつなぐ特別な役割を果たす。 それはまさに、女性が交換される婚姻関係が父系の集団をつなぐ、人の地域社会の様相を呈する。 集団間、民族間、国家間の反目がますます激化する現代社会において女性がはたすべき役割を、 ボノボのメスたちの立ち振る舞いをみて考える。 |
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※日本の動物園等で飼育されている霊長類の種数は102種類です。(2015年3月31日時点、GAIN調べ。種間雑種その他の分類不明なものは除く。) |