■日時:2021/11/7(日) 12:30~13:15 ■講師: 前田玉青先生(京都大学野生動物研究センター・大学院生) ■内容: 無人航空機、いわゆるドローンはここ数年で急激に安価になり、ドローンを使った研究は様々な分野で使用されるようになってきました。視点を変えると世界が変わるとよく言いますが、実際、空の上から動物の群れを見ると、地上からでは得られない情報を大量に得ることができるのです。 私はポルトガルのアルガ山という場所で、野生ウマの社会を研究しています。ウマの社会は意外にも複雑で、2~9頭ほどの小さい群れが複数集まって、100頭を超える大きな群れをつくることがドローンの観察からわかってきました。この社会はちょうど家族が集まって、地方自治体になり、さらに国家というより大きな「群れ」になるという点で、ヒトの社会によく似ています。この「重層社会」と呼ばれる社会形態は、動物のつくる社会の中で最も複雑なものの一つと言われていて、なかなか研究が進んできませんでした。 今回の講演では、どうやってウマに重層社会があることを確かめたのか、研究にドローンがどのように役立っているのか、お話ししたいと思います。 |
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※日本の動物園等で飼育されている霊長類の種数は102種類です。(2015年3月31日時点、GAIN調べ。種間雑種その他の分類不明なものは除く。) |